人手不足と外国人労働者の雇用問題

最近、テレビや新聞のニュースなどでも人手不足の問題をよく見かけます。

 

日本の社会が少子高齢化して総人口が減少いる現代では若年層の労働力が不足しており、「人手不足倒産」という言葉がつくられるほど深刻な問題になっています。

 

 

有効求人倍率から見た労働市場の状況

厚生労働省が就職斡旋しているハローワークが調査したデータによる業種別の有効求人倍率により、おおよその労働市場の状況が分かります。

有効求人倍率とは、有効求人数(実際に企業が求職している人数)を求職者数(実際に職業に就くために活動している人数)をで割った数値であり、この数値が大きいほど求人の割合が大きく人手が不足しているということです。

有効求人倍率=有効求人数÷有効求職者数

ただし、有効求人倍率はハローワークが掌握しているデータからはじき出される数値です。

したがって、有効求人倍率には企業が求人雑誌やインターネット広告を利用して求人している数やハローワークに登録しないで就職活動している人の数は反映されません。

 

それでは、業種別の有効求人倍率の一覧を見てみましょう。

 順位            業    有効求人倍率
1位 建設躯体工事の職業 10.29
2位 保安の職業 7.02
3位 建築・土木・測量技術者 5.10
4位 建設の職業 4.70
5位 土木の職業 4.67
6位 生活衛生サービスの職業 4.28
7位 外勤事務の職業 4.27
10位 介護サービスの職業 3.94
12位 医師、薬剤師等 3.77
18位 医療技術者 2.95
23位 社会福祉の専門的職業 2.69
24位 商品販売の職業 2.51
29位 開発技術者 2.08
30位 保健師、助産師等 2.07
37位 営業の職業 1.77
39位 運搬の職業 1.66
45位 その他の輸送の職業 1.16
50位 会計事務の職業 0.83
52位 事務用機器操作の職業 0.64
57位 一般事務の職業 0.37
    58位 その他の運搬等の職業 0.29

参照:厚生労働省2019年4月時点の統計より※常用「パート」を含む
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00017.html

 

上の一覧表から分かることは、高齢社会に入り高齢者の人口が増加すれば、当然医療や介護従事者の数が不足しますので、医療、社会福祉や介護に関する有効求人倍率が高くなっています。

また、来年の東京オリンピックに向けて建設ラッシュが起こっていることから、建設土木関係の有効求人倍率が軒並み高くなっているます。

それと併行して建設・土木現場には安全を確保するための警備員を配置しなければなりませんので、保安の職業についても有効求人倍率た高く人手不足になっています。

また、「商品販売の職業」の有効求人倍率が高くなっていますが、コンビニエンスストアの拡大大型量販店の地方進出などにより人手不足の状況になりつつあります。

 

有効求人倍率が高くなっているのが、建設・土木関係の職業です。

その中でも断トツなのが「建設躯体工事の職業」です。ビルの鉄骨や鉄筋などで枠組みを造るとび職で、危険で重労働な仕事のため、10~20代の若年層がこの仕事に就きたがらないのも人手不足の大きな要因です。

また、「営業の職業」の有効求人倍率はやや高くなってきています。これはノルマや残業が当たり前、低い給与で過酷な労働を強いるブラック企業などがあることから、最近の若年層にとっては敬遠される業種になりつつあります。

企業のほうとしても、人手不足の問題を解消するためには、若年層を確保する必要があります。

そのためには企業イメージを明るくするとか福利厚生面を充実させるなどの企業努力する必要があります。

 

反対に「人余り」と言われる業種が「会計事務の職業」「事務用機器操作の職業」「一般事務の職業」のような事務職です。

既に、会計ソフトなどの開発により人手がかからなくなってきていますが、企業がAIを導入することで、ますます人余り現象が加速されることが予想されます。

こうした事務職については、結婚してからも職場に残る中堅女子職員が多いため若年層の女子が入りにくい現状もあります。

 

 

有効求人倍率だけでは分からない人手不足の問題

有効求人倍率は低くても、深刻な人手不足で悩んでいるのが物流業界です。

現在はインターネットの普及とともに通販を利用する人々が増加して、宅配便や倉庫などで仕事をする労働者が不足しています。

有効求人倍率が最下位の「その他の運搬等の職業」は物流倉庫の中で商品を仕分けしたり梱包する仕事も含まれます。

 

倉庫内の軽作業は、今では人手不足で大きな倉庫になれば常時200名以上のアルバイトやパートの労働者を採用しています。

今や大型トラックや大型フォークリフトの操縦者すら、派遣労働者でまかなっている企業が多いのです。

人手不足なのにハローワークの有効求人倍率は低くなっているのは、企業が正規雇用ではなく、派遣労働者やパートなどの非正規労働者や外国人労働者を多く採用しているからです。

厚生労働省のホームページには上記一覧表には、常用「パート」を含むと表記されていますが、週2~5日だけの非正規雇用者のデータは含まれていません。

有効求人倍率は、企業が正規雇用した人数で計算されますので、非正規雇用労働者はデータに含まれずどうしても数値が低くなってしまいます。

 

 

 

IT産業や物流業界は深刻な人手不足

IT産業は、インターネットが普及やAIを導入する企業が増加するとともに、ますます人手不足の問題を抱えることになります。

中学生を対象にしたあるアンケートで将来つきたい仕事として、1位はネットビジネスなどで起業すること、2位はIT企業のエンジニアになることという統計があります。

今の10~20代の若年層にとって一生会社のサラリーマンとして働くよりも、独立して企業するか、プログラミングやネットワーク技術を習得してフリーランサーとして働くことを希望しているようです。

上記の有効求人倍率の一覧表の中では「開発技術者」がプログラミングやネットワークの技術者です。

今年に入って2.08と倍率が低くなってきいますが、IT企業とビジネススクールが提携して、2~3ヶ月間の無料講座を受講した若者をそのままIT企業に就職させるなどの方法をとって、若年層の確保に努めているからです。

一般に地方在住の若年層は公務員志望が根深いとはいえ、地方の企業もITの技術者を多く採用するようになれば、今後はIT産業に就職する若年層が増加すると予想できます。

 

 

 

外国人労働者雇用の問題

物流産業などは今や外国人労働者を多く採用している企業が増えてきています。

これらの外国人は企業と直接雇用契約を結んでいるのではなく、派遣会社やブローカーの仲介をとおして雇用契約を結んでいます。

また、企業は外国人労働者を採用するときは、ハローワークに採用計画と採用実績を報告する義務があります。

ところが、報告せずに低賃金で外国人労働者を採用したりする企業や悪質なブローカーが増加しているという問題があります。

外国人が日本の企業に雇用されるためには、法律で企業の実務研修と日本語技能試験を受けなければならいと規定しているため、外国人にとってハードルが高いのです。

特に、外国人にとって日本語技能を習得するのが最も難しい関門になっています。

政府は、少子高齢化が進む現代において、外国人をもっと積極的に雇用していかなければなりません。ます。

そのためには。外国人を送り出す諸国と受け入れ国の日本との間でもっと日本語技能が習得したり職業訓練できるような機関を設立したりする必要があります。

また、外国人を積極的に採用する企業には法人税の軽減税率をかけるとか政府系銀行からの融資を受けやすくするなどの優遇制度を設けるなどをして、現在の労働市場を改善していくべきです。

 

 

 

 

 

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